「BtoBでとりあえず広告出したけど、全然問い合わせが来ない」問題
「クリックはされているのに問い合わせが全然来ない」
「広告費だけが毎月出ていって、費用対効果がまったく合っていない」
BtoB企業の担当者の方から、こういった相談をよくいただきます。
正直に言うと、この状態になる理由はほとんどのケースで同じです。スタート時点での設計ミスです。
リスティング広告は、始めるのは簡単です。アカウントを作って、キーワードを入れて、広告文を書けばすぐ配信できます。ですが「費用対効果が合う状態」にするためには、BtoBならではの考え方を最初から組み込んでおく必要があります。
私がこれまで支援してきたBtoB企業の中には、最初の設計を見直しただけで、CPA(1件の問い合わせ獲得にかかる広告費)が半分以下になったケースもあります。
この記事では、BtoB企業がリスティング広告をスタートするときに、最初に取り組むべき3つのことを、私の経験談を交えながら解説します。
BtoBのリスティング広告がBtoCと違う理由
改善策の話に入る前に、まずBtoBリスティング特有の「難しさ」を整理しておきます。BtoBには、BtoCとは根本的に異なる3つの特性があります。
1つ目は「検索ボリュームが少ない」こと。個人が買うものと違って、法人向けサービスを検索する人の絶対数は少ないです。キーワードによっては月間検索数が数百件しかないものもざらにあります。
2つ目は「意思決定に時間がかかる」こと。BtoBの場合、担当者が検索して良いと思っても、その場で即決にはなりません。上司への稟議、他部署との調整、複数社との比較検討…。商談化までに数週間から数カ月かかるのが普通です。
3つ目は「ターゲット外の個人からの問い合わせが混ざる」こと。たとえば「人事管理システム」で検索する人の中には、個人事業主や学生も含まれます。こういった問い合わせはどれだけ来ても受注につながりません。
この3つを踏まえた上で、最初にやるべき改善策を見ていきましょう。
①「コンバージョン」の定義を見直す
まず最初にやるべきことは、コンバージョン(広告の成果として何をカウントするか)の設計です。
多くのBtoB企業が最初に「お問い合わせ完了」だけをコンバージョンに設定します。これ自体は間違いではないのですが、BtoBの場合は検索量が少ないため、月に数件しかコンバージョンが取れないという状況が起きやすいです。
Google広告の自動入札(スマート入札)は、コンバージョンデータをもとに学習して最適化を進めます。コンバージョン数が月30件未満だと、機械学習がうまく働かず、最適化が止まってしまうのです。
そこで私がBtoB企業に最初に提案するのが「マイクロコンバージョン」の設定です。
マイクロコンバージョンとは、最終的なお問い合わせに至るまでの中間地点を成果として計測することです。具体的には以下のようなものがあります。
・資料ダウンロード
・料金ページの閲覧
・導入事例ページの閲覧
・LP上での特定ボタンのクリック
コンバージョン数が極端に少ない状態では、広告の最適化は進みません。まずここを整備することが最優先です。
②キーワードを「顕在層」に絞り込む
次にやるべきことは、キーワードの絞り込みです。
最初にリスティング広告を始めるとき、「広く網を張った方がいい」と思いがちです。でもBtoBの場合、これが費用対効果を悪化させる最大の原因になります。
私がBtoB企業に対して「費用対効果を上げたいなら、まずキーワードを減らしましょう」と言うと、驚かれることがあります。でもこれは本当です。
BtoBリスティングで費用対効果が出るのは、購買意欲が高い「顕在層」のキーワードに集中したときです。具体的には、以下のような要素を含むキーワードです。
・「料金」「費用」「価格」などを含むもの(例:「勤怠管理システム 料金」)
・「比較」「おすすめ」を含むもの(例:「CRM 比較」)
・「資料請求」「無料トライアル」を含むもの
・自社サービスのカテゴリー+具体的な課題を含むもの(例:「採用管理 工数削減」)
一方で、「〇〇とは」「〇〇 やり方」といった情報収集系のキーワードは、BtoBでは費用をかけるべきではないことがほとんどです。検索している人がまだ購入を検討する段階にいないからです。
また、BtoBでは「除外キーワード」の設定も重要です。「個人」「フリーランス」「副業」「学生」といった個人ユーザーを示すキーワードで広告が表示されないよう除外しておくことで、無駄なクリックコストを削減できます。
③LP(ランディングページ)をBtoB向けに作り直す
3つ目は、LPの見直しです。
これは、キーワードや広告文よりも、実は最も費用対効果に直結する改善ポイントです。
私がよく見るのは、「会社のトップページに広告を飛ばしているケース」です。
でもBtoBの購買担当者が広告をクリックして最初に見るLPに求めることは、BtoCとは全く違います。
BtoBの担当者がLPで確認したいことは主に3つです。
1. 自社の課題をこのサービスが解決できるか(課題解決の証明)
2. 信頼できる会社・サービスか(実績・事例・セキュリティ等)
3. 上司に説明できる根拠があるか(料金、導入フロー、ROI)
「うちのサービスはこんなに素晴らしい」という一方的な訴求は、BtoBでは逆効果になりやすいです。担当者は「自分の会社の問題を解決できるか」という視点で見ています。
私が実際に支援した人材紹介会社では、自社の強みをひたすら並べていたLPを、「こんな課題を抱えていませんか?」という問いかけ型のLP構成に変えただけで、CVR(コンバージョン率)が大きく改善しました。
CPA(コンバージョン単価)はCPC(クリック単価)÷ CVRで決まるので、CVRが2倍になればCPAは半分になります。LPの改善は、広告の設定を変えるよりもはるかに大きなインパクトを生むことがあります。
BtoB向けLPで特に重要なのは以下のポイントです。
・ファーストビューに「誰の・どんな課題を解決するか」を明示する
・導入事例・実績数値を具体的に見せる(「導入企業500社以上」より「導入後3カ月で工数30%削減」の方が刺さる)
・問い合わせフォームのハードルを下げる(「まずは資料請求」「30分の無料相談」など)
まとめ:最初の設計が費用対効果を決める
BtoB企業がリスティング広告の費用対効果を上げるために最初にやるべき3つのことをまとめると、以下の通りです。
① コンバージョンの定義を見直す(マイクロCVの設定)
② キーワードを顕在層に絞り込む(除外キーワードも徹底する)
③ LPをBtoB向けに作り直す(課題解決型の構成にする)
これらはどれも、「広告を出してからじゃないとわからない」ことではありません。スタート前から設計できることです。
リスティング広告は、やり方次第でBtoB企業にとって非常に費用対効果の高い集客手段になります。一方で、設計を間違えると毎月広告費だけが消えていくという状況にもなりやすい。
私自身、過去に設計を誤って広告費を無駄にしてしまったクライアントさんを見てきたからこそ、この3点を最初に整えることを強くお勧めしています。
もし「自社のリスティング広告がこの状態になっていないか確認したい」という方は、お気軽にRectoにご相談ください。アカウントの現状診断から一緒に見させていただきます。