「P-MAXを入れたんですけど、全然成果が出なくて……」
最近、このようなご相談をよくいただきます。
P-MAXは、GoogleのAIが入札・ターゲティング・配信面をすべて自動で最適化してくれるキャンペーンタイプです。検索・ディスプレイ・YouTube・Gmail・Discoverと、Googleのあらゆるプラットフォームに自動でリーチできる点は魅力的です。
しかし、「成果が良いと聞くから」と安易に始めて、全く成果が出ず広告費だけが溶けていくというケースもよくご相談をいただきます。
P-MAXはAIが動いてくれる分、「AIに何を渡すか」で結果が決まります。間違った情報やざっくりした指示しか与えていなければ、AIはその方向へひたすら学習を重ねていきます。
「なんかP-MAXうまくいかないな」と感じている方は、自社アカウントと照らし合わせながらぜひ参考にしてください。
設定ミス① コンバージョン設定が緩い
P-MAXキャンペーンでは、過去のコンバージョンデータをもとに広告のターゲットを最適化しています。つまり、コンバージョンの設定に問題があるとAIが間違った方向に最適化を始め、本来取りたいコンバージョン(購入、来店、問い合わせなど)を全く取れなくなることがあります。
よくある失敗パターン
- 「ページ閲覧」「スクロール50%」「外部リンクのクリック」などをコンバージョンに設定している
- 問い合わせ完了ページへのタグが未設置で、実際の件数が計測できていない
- 「CV数を増やしたい」という理由で、質の低いコンバージョンをメイン目標にしてしまっている
基本は「本当に成果につながるアクションだけをメイン計測にする」ことをおすすめします。
ただし月間のCVが30件を下回っている場合はAIの学習データが不足していて、最適化の精度が不安定になることもあるため、そのときは緩いコンバージョン設定でデータを補う対策を取りましょう。
設定の直し方
- Google広告管理画面 →「目標」→「コンバージョン」→「概要」を開く
- 一覧に表示されているCVアクションを確認し、「問い合わせ完了」「購入完了」など真の成果以外はキャンペーン目標から外す(アクション自体を削除せず「デフォルト目標から除外」でOK)
- 「問い合わせ完了」「購入完了」などのCVアクションが未設定の場合は追加設定を行う。(詳細設定方法はここでは割愛します。)
設定ミス② オーディエンスシグナルが未設定、またはなんとなく設定している
P-MAXのオーディエンスシグナルを単なるターゲティングだと思っている方が多いのですが、そうではありません。
シグナルはAIへのヒントです。「こういう人たちが成果を出しやすいですよ」と教える材料であって、そこにしか配信されないわけではないです。AIはシグナルを参考にしながら、さらに広い範囲で配信先を探していきます。
シグナルを設定しなくても広告は配信されますが、「どんな人に届ければいいかわからない状態」でスタートするので、学習が軌道に乗るまで余計な時間とお金がかかります。
シグナル設定でありがちな問題
- シグナルを何も設定していない(完全AIまかせ)
- 興味関心カテゴリを「なんとなく」選んでいるだけで、顧客リストを入れていない
- 成果が出ている検索キャンペーンのオーディエンスを検索テーマに活用していない
設定の直し方
【オーディエンスシグナルの設定手順】
- P-MAXキャンペーン →「アセットグループ」→「オーディエンスシグナル」を開く
- 「顧客リスト」に既存顧客のメールアドレス・電話番号リストをアップロードする(Googleアカウントの「オーディエンスマネージャー」から事前にアップロード)
- 過去にコンバージョンが出た検索キャンペーンやリマーケティングリストをあわせて登録する
- 「カスタムセグメント」で競合サイトのURLや関連キーワードを追加する
【検索テーマの設定手順】
- P-MAXキャンペーン →「アセットグループ」→「検索テーマ」を開く
- 現在動いている検索キャンペーンのコンバージョン貢献キーワードを確認する
- そのキーワードをそのまま(または意味が近いフレーズに整理して)検索テーマに入力する
「うちはリストが少ないから意味ない」と思わず、持っているデータは渡してあげましょう。量より質です。
設定ミス③ 動画アセットを用意せず、自動生成に丸投げ
設定ミスでは無いですが「動画を作るのはコストがかかるから、P-MAXが自動生成する動画でいいや」というのもよくある成果が落ちる要因です。
動画アセットを登録しないと、GoogleはLPの画像やテキストから動画を自動生成して配信します。この自動生成動画では、文字が雑に並んだだけのスライドショーが、YouTube広告として流れることもあります。
自動生成動画を止める手順
- P-MAXキャンペーン →「設定」→「自動作成アセット」を開く
- 「動画」の自動作成がオンになっていないか確認する(オンの場合は原則オフに)
- アセットグループ →「動画」に自社制作の動画を登録する
動画アセット、現実的にどうするか
「本格的な動画撮影は予算が……」という場合でも、スマートフォンで撮った15〜30秒の縦型動画でも機能します。冒頭5秒でサービスの価値が伝わるかどうかが一番大事で、そこさえ押さえれば自動生成よりずっとまともな結果が出ます。
Googleが推奨するアセットの種類と数の目安は以下のとおりです。
- 横型(16:9):1本以上
- 縦型(9:16):1本以上(YouTubeショーツ・リール系への配信に使われる)
- スクエア(1:1):1本以上
すべてを一気に揃えようとせず、まず横型1本を用意することから始めましょう。自動生成が止まるだけでも、見た目の品質は大きく変わります。
設定ミス④ 「自動作成アセット」をオフにし忘れている
P-MAXには「自動作成アセット」という機能があります。テキストアセットと最終ページURLをGoogleが自動で生成・変更する機能で、デフォルトではオンになっています。
問題は、自社でコントロールしていないテキストや、意図しないLPへ広告が誘導されてしまう可能性があること。気づかないまま放置していると、どこに何が出ているかわからない状態が続きます。
あるECクライアントの案件で、自動作成アセットがオンのままだったせいでトップページへの誘導が意図せず増え、商品ページへのCVRが落ちていたことがありました。管理画面を見るまで誰も気づいていなかった、という状況です。
確認・変更の手順
- P-MAXキャンペーン →「設定」→「自動作成アセット」を開く
- 「テキストアセット」と「最終ページURL」のチェックボックスを確認する
- ブランドメッセージや誘導先LPを自社で管理したい場合は、両方のチェックを外してオフにする
- 「最終ページURL」の自動拡張を止める場合は、アセットグループの「最終ページURL」欄で固定のURLを指定し、URLの拡張をオフにする
「自動最適化してくれるならオンのままでいいのでは?」と思う方もいますよね。ただ、ブランドの言葉や誘導先URLは、広告主が責任を持って管理すべき部分です。サービス内容が複雑だったり、LPごとにターゲットが違う場合は、オフにして手動管理するほうが安全です。
設定ミス⑤ 除外設定(キーワード・プレースメント)を何もしていない
P-MAXは自動で最適化しますが、その過程で明らかに質の低い配信先にも一定の予算が流れます。除外設定は「AIへの制約」ではなく、「無駄な学習をさせないための整理」と考えてください。
除外キーワードの設定手順
- Google広告管理画面 →「キャンペーン」→「除外キーワード」を開く
- 「+」ボタンからP-MAXキャンペーンを選択し、除外したいキーワードを入力する(フレーズ一致または完全一致で設定)
- 優先的に除外すべきキーワード例:自社ブランド名(ブランドキャンペーンと競合する場合)・競合他社名・「無料」「求人」「評判」など購買意欲と乖離したワード
除外プレースメントの設定手順
- P-MAXキャンペーン →「インサイト」→「プレースメント」レポートを開く
- 表示回数が多いのにCVゼロのサイト・URLを洗い出す(月に1〜2回の頻度で確認する)
- Google広告管理画面 →「コンテンツ」→「除外するコンテンツ」→「プレースメントの除外」から対象URLを追加する
- アカウント単位でも設定できるが、P-MAXキャンペーン単位での除外も可能(キャンペーン設定から直接指定)
検索系CVがメインの商材では、ディスプレイ面への配信が増えるとCPAが一気に悪化することがあります。管理画面上でCPCが急落していたら(たとえばそれまで300〜500円で推移していたのに30〜50円になっている場合)、ディスプレイへの偏りを疑ってください。
P-MAXは「設定不要」ではなく「設定の質で決まる」ツール
5つのミスに共通するのは「AIに任せておけばいいや」という考えです。
P-MAXのAIは確かに動いてくれますが、正しいゴールを教えてもらって、使えるデータを渡してもらって、初めてその力が出ます。
下記に今すぐ確認できるリストを整理しましたので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
P-MAX 設定チェックリスト
- 【CV設定】メインCVアクションは問い合わせ完了・購入完了など本当の成果に絞られているか
- 【CV設定】月間CV数が30件を下回っている場合、マイクロCVでデータを補う対策をしているか
- 【シグナル】顧客リストをオーディエンスシグナルに登録しているか
- 【シグナル】検索テーマにCVが出ているキーワードを入力しているか
- 【動画アセット】自社制作の動画を登録しているか。自動生成をオフにしているか
- 【自動作成アセット】テキスト・URLの自動生成をオフにしているか(ブランド管理が必要な場合)
- 【除外設定】除外キーワードを設定しているか(ブランド名・競合名・購買意欲のないワード)
- 【除外設定】プレースメントレポートを月1〜2回確認し、不要なURLを除外しているか
チェックが入らない項目があれば、そこが成果が出ない原因になっている可能性があるので、一箇所ずつ直していきましょう。
「直してみたけどそれでも改善しない」という場合は、アカウント構造や広告・LPの質なども絡んでくることが多いです。そのときはぜひRecto株式会社にご相談ください。実際のアカウントを見ながら、課題を一緒に整理させていただきます。